コメント
コメントはプログラムを作成する上での大切な要素となる。コメントにて記述したソースコードの機能を明確に説明することにより、他のプログラマが解析する上でのプログラム仕様書となる。C++には単一コメントと複数行コメントがあり、C#にはそれらに加えてドキュメンテーションコメントもある。VB.NETでは単一コメントのみをサポートし、単一引用符「’」またはキーワード「REM」にて宣言する。
‘ 機能 : コンソールに「hello, world」を表示する
‘ 入力 : なし
‘ 出力 : なし
‘
Sub Sample()
Console.WriteLine(“hello, world”)
End Sub
キーワード
VB.NETには数多くのキーワードがあり、すべてのキーワードは予約されている。また、これらのキーワードを識別子として使用してはならない。VB.NETのキーワードについて次表に列挙する。キーワードの中にはVB6.0までデータ型の1つとして存在した「Variant」も予約語として残っているが、VB.NETでは使用できない。
AddHandler | AddressOf | AndAlso | Alias | And |
Ansi | As | Assembly | Auto | Boolean |
ByRef | Byte | ByVal | Call | Case |
Catch | CBool | CByte | CChar | CDate |
CDec | CDbl | Char | CInt | Class |
CLng | CObj | Const | CShort | CSng |
CStr | CType | Date | Decimal | Declare |
Default | Delegate | Dim | DirectCast | Do |
Double | Each | Else | ElseIf | End |
Enum | Erase | Error | Event | Exit |
False | Finally | For | Friend | Function |
Get | GetType | GoSub | GoTo | Handles |
If | Implements | Imports | In | Inherits |
Integer | Interface | Is | Let | Lib |
Like | Long | Loop | Me | Mod |
Module | MustInherit | MustOverride | MyBase | MyClass |
Namespace | New | Next | Not | Nothing |
NotInheritable | NotOverridable | Object | On | Option |
Optional | Or | OrElse | Overloads | Overridable |
Overrides | ParamArray | Preserve | Private | Property |
Protected | Public | RaiseEvent | ReadOnly | ReDim |
REM | RemoveHandler | Resume | Return | Select |
Set | Shadows | Shared | Short | Single |
Static | Step | Stop | String | Structure |
Sub | SyncLock | Then | Throw | To |
True | Try | TypeOf | Unicode | Until |
Variant | When | While | With | WithEvents |
WriteOnly | Xor |
識別子
プログラムで使用するメソッドおよび変数などにつける名前のことを識別子と呼ぶ。識別子は1単語のみで表現し、アンダースコア (コネクタ) で始まる場合もある。なお、識別子は大文字と小文字が区別されず、長さは最大で16,383文字である。
リテラル
VB.NETのリテラル(ソースコード中で使用する定数)には、ブール、整数、浮動小数点、文字列、文字、および日付の6種類の型がある。
ブール
ブール型リテラルには「True」と「False」がある。VB6.0と同様に「True」は「-1」、「False」は「0」を示す。
整数
整数型リテラルには10進数、16進数および8進数の指定方式がある。10進整数リテラルは10進数の文字列(0-9)、16進数リテラルは先頭に「&H」を付けた16進数の文字列(0-9、A-F)、8進数リテラルは先頭に「&O」を付けた8進数の文字列(0-7)で示す。また、リテラルの型は値または文字列に続く型文字で決定する。型文字が指定されていない場合、Integer型の範囲内の値はInteger型、Integer型の範囲を超える値はLong型となる。
浮動小数点
浮動小数点リテラルは小数点、仮数部および指数部をオプションとして持つ整数リテラルである。デフォルトの浮動小数点リテラルの型はDoubleとなる。
文字列
文字列リテラルは二重引用符文字で囲まれた0個以上のUnicode文字で示す。文字列中に二重引用符文字を2つ続けた場合、文字列内での二重引用符を示す。また、文字列定数は String型となる。
文字
文字リテラルはChar型の1つのUnicode文字を示す。二重引用符文字を示す場合は二重引用符を2つ続ける。
日付
日付リテラルは時間をDate型の値で示す。リテラルは日付と時刻、日付のみ、または時刻のみの指定が可能である。日付を省略した場合は西暦1年1月1日となり、時間を省略した場合は午前12時0分0秒となる。
年には2桁の値を設定できないため、西暦100年までの年を指定する場合は先頭に0を付加する必要がある。
時間の値は24時間制または12時間制での指定が可能で、AMまたはPMを省略した場合は24時間制となる。また、分を省略した場合はデフォルトでリテラル0、秒を省略した場合についてもデフォルトでリテラル0が使用される。なお、分と秒の両方を省略した場合はAMまたはPMを指定する必要がある。